記録的な降雪の日に入国
なんだか準備も整わないまま、なし崩し的にパリに行くことになってしまった。
お金もない。
住むところは3ヶ月間は語学学校の寮があるが、それ以降は全くアテもない。
フランス語は驚くほどできない。仏検5級にスレスレで合格したレベル。
初めてのヨーロッパ。
初めての一人海外。
乗り換え含めて、16時間の飛行機。
とりあえず日本を午前中に出発して、時差が約-8時間、夜7時ころにパリに着くはずだった。
しかし。
降雪の為の乗るはずの飛行機が羽田に着かず、羽田で3時間待ちぼうけ。
そのまま、まるまる3時間遅れて、パリに着いたのは夜10時。
乗り換えのコペンハーゲン空港から、迎えに来る予定の語学学校に、遅れる旨を伝えようと思っても、公衆電話が見つからない。見つかっても国際電話のかけ方がわからない。
仕方がないからとりあえず乗り換えの飛行機に乗って、さすが北欧、サーモンがおいしい機内食をいただき、疲労で即、爆睡。
着陸に一切気づかず、ガン寝のアジア人女子を、隣席のジェントルマンが、優しく起こしてくれた。
本当にありがとうございます。
初めてのフランス、シャルル・ド・ゴール空港に、感激する余裕は一切無い。
だって夜の10時ですよ。
空港設備は全て閉店。早く出て行けとばかりに、出口への道筋だけが示される。
迎えに来てくれているはずの語学学校の車は当然居らず、また電話のかけかたも分からない。
絶望的な気分で公衆電話の前に立ち尽くしていたら、
怪しいんだか親切なんだから分からないお兄さんに、繋いでもらった学校への番号。
校長らしき男は、「タクシーで来い!」の一点張り。
頭が混乱している私が、フランス語も分からず、英語もろくに分からないので、タクシー、の語を聞き取るのがやっとだっただけかもしれない。
受話器をおいて、とりあえずタクシー乗り場に…行くか、と動き出すと、
先程の怪しい親切なお兄さんが、
「荷物運んであげるよ、タクシーはあっちだよ」と言って案内し始めた。
もう判断力もにぶにぶになっているので、
そのままその人にお願いし(今考えたら危なすぎる)
普通にタクシーまで送ってもらいました。特に変なお金も取られなかったので、彼はただの親切な人でした。
とりあえずはタクシーで、寮の住所が書いてある紙を運転手さんに渡し、
真っ暗闇の中、パリ市内に向かってもらったのでした。
初っ端から、とんでもないスタートを切りましたが、まだまだ、こんなのは、言葉通りの序の口でした…