読書感想文講座を受けたので書いてみました2019夏

読書感想文講座に大人だけど参加しました。

松村ひとみさんの、読書感想文講座に参加してきました。本来は、小学生が宿題を終えるためのものですが、来年小学生に上がる子供がいるのと、「じゃあじゃあびりびり で読書感想文は書けるのか?」とFaceBookでちょっと話題になっていたので、書いてみたかった、という気持ちもありました。

さて、そんな読書感想文。ストーリーも、主人公も存在しない、作文作成フォーマットには全く準拠しませんが、そこは大人の知恵と経験と力業で乗り切ります。しかし正直言って、このフォーマットがすごい。これにはめていけば、だいたい出来上がるし、軸がぶれないから、書いてて楽だし読んで納得。当初思っているより、ネタは絞っていますが、その分分かりやすくなりました。では、以下からどうぞ。

 

「じゃあじゃあびりびり」を読んで

佐藤なおみ

私が「じゃあじゃあびりびり」に出会ったのは、「ブックファースト」という区の事業でいただいた本の中に入っていたからでした。
赤ちゃん一人に対して、3冊の絵本が贈られ、「じゃあじゃあびりびり」「いないいないばあ」あと1冊なにかの本をもらってきたのですが、どれも赤ちゃん向け絵本のド定番と言われる本でした。

小さい頃から絵本に親しんできた私は、自分の中で「良い絵本」の基準が出来上がっており、絵が美しいこと、お話が素敵であること、の二つを基準としていました。ところが、贈られた3冊はどれも単純な絵で、上手いのか下手なのかの判断もつかないほどです。内容も絵に負けず劣らず単純で、そもそもストーリーは存在せず、簡単な言葉の羅列でした。

正直言って、この本の何が面白いのだろうか。この本を子供に読ませて、果たして教育の要素があるのだろうか。今考えたらとんでもないことなのですが、当時新米ママだった私は本当にそう思っていて、教養の要素がない本に意味はないと思い込んでいました。

さて、もらった三冊の中でも特にシンプルな「じゃあじゃあびりびり」。じどうしゃ、いぬ、みず、かみ、そうじき、にわとり、ふみきり、あかちゃん、ひこうき、ねこ、らっぱと11種の身近な物たちの擬音がただただひたすらに出てくるだけです。
最初のページはこうです。「じどうしゃ ぶーぶーぶーぶー」次は「いぬ わんわんわんわん」こんな調子で「らっぱ ぷっぷーぷっぷー」まで行きます。やっと寝返りを打とうかという息子を抱えて、じゃあじゃあびりびりを読み終えた私は途方にくれました。そして思いました。「何だこの本は。何だこの面白みの無い絵は。」
まついのりこさんの挿絵は非常にシンプルで、切り絵で表現された単純な面。影も立体感も無く、あるのは色と形だけ。背景も全て一色。「それ」と分かる限界までそぎ落とされた絵でした。

そう思いながらも、せっかくいただいた本なので、まだ何にもわかっていない息子に「じゃあじゃあびりびり」を読んで聞かせました。最初のうちは、何の反応もなかったのですが、1歳を過ぎて少し言葉が出始めた頃。「ふみきり かんかんかんかん」のページで、彼はかんかんのリズムに合わせて体を揺らして聞いていました。そうして、次のページに行こうとすると、手でページを押さえて、目で「もっと」を訴えてきました。
その当時まだ彼は踏切を見たことが無く、どんなものなのかも知らなかったはずです。それでも「かんかん」の音が心地よかったのでしょう。他のページにはほとんど目もくれず、私は何度も何度も「かんかん」を読まされる羽目になりました。
これは、次男のときも同じでした。同じく彼も、1歳前後の頃少しずつ言葉を獲得していく過程で、多くの絵本を読んでもらいたがりましたが、「かんかん」は格別で、このページにくるとニコニコしながらか「かんかん」のリズムに合わせて手をたたいていました。

長男の時には気づけなかったのですが、2歳くらいまでのごく小さいうちと言うのは、細かい絵を見分けることが出来ず、あまりに繊細なイラストはごちゃごちゃしすぎてしまって、認識できないようなのです。
単純な線と形から、少しずつ、「これは生き物」「これは乗り物」程度のざっくりとしたグループわけを認識し、そこから徐々に細分化されて「わんわん」と「にゃんにゃん」の違い、「ぶーぶー」と「でんしゃ」の違いが認識されていくようなのです。そういう「赤ちゃんの認識の仕方」に触れてみて、改めて「じゃあじゃあびりびり」を見ると、一ページに一つの絵。それに呼応する文字。間違いようの無い組み合わせ。
赤ちゃんにとってみれば、ものすごく分かりやすい話で、非常に体に覚えやすい構成になっていると言えます。
また、彼らは飽きっぽく、それでいて単純な繰り返しを好みます。嫌いなページはさっと飛ばして。好きなページは何度でも見て。そして徐々に自分でも発音していく。
そうやって、リズムで聞いて、目で見て、スイングしたり手拍子したり体験して、また、本に出てくる身近な物を、読み手と一緒に生活の中で「これは水だよ、じゃあじゃあだね」「犬がいるよ、わんわんだ」と言いながら言葉を獲得していく。
そのプロセスも含めてその体験を提供しているのが「じゃあじゃあびりびり」の本の素晴らしさだったのです。

私はそれに気づいたとき、非常に感動しました。「簡素すぎてつまらない絵。何がおもしろいんだろう」などという感想を持った自分が非常に恥ずかしくなりました。
赤ちゃんに、「スイミー」は長すぎるし、「おしいれのぼうけん」は難しすぎます。
全てに言えることですが、親が「良さそうな物」として子供に与える場合、それは親の価値観が多分に入っています。
子供の年齢や発達を加味して選んであげることが非常に重要であること、それが難しいのであれば、やはり長く読み継がれているものはそれなりの根拠があるし、絵本ガイドを参照したり、絵本のプロフェッショナルに聞くのも手です。

「たかが赤ちゃんの絵本でしょ」と思っていましたが、改めてこの本に向き合ったときに、区がお勧めするほどのロングセラーである理由が随所にありました。そうして何よりも、頑丈で、持ち運びしやすいところが最高です。
なんでも舐めたり齧ったり、時に本を放り投げたり破いたりする赤ちゃんですが、それすらも受け入れて、「そんなことじゃあ壊れませんよ」とばかりにどっしりとした厚みのあるページ。そして、かばんに入れていつでも持って運べる大きさ、負担にならない重さ。お母さんのことも、よくよく考えられています。一見見ただけでは分からなかったけれど、実際に使ってみるとものすごい説得力で「いい本」だった、「じゃあじゃあびりびり」。出産前の私に言ってやりたいです。
「めっちゃ赤ちゃんファーストな本があるんだけど、読んであげないと真価を発揮しないから、楽しみにしてなよ」って。


コメント

タイトルとURLをコピーしました