2010年12月~2011年12月パリのワーホリ記録

アートおたくのパリ滞在記

言葉の壁

「ワーホリで、フランスに一年行ってたんです」というと、思った以上に多くの方に「フランスってワーホリあるんだ?!」と驚かれます。

ワーホリはオーストラリアやアメリカのイメージがあるようで、少々詳しい人でもイギリスなら知ってるけど…と言います。

私は、ほかの国のワーホリ事情は知りませんでしたが、とにかくフランスで長期間滞在するための方法を探したらワーホリ以外にはあり得ない、という結論になり、すぐさまワーホリ渡航者に語学学校や寮を斡旋している会社に赴き、必要な費用と語学レベルを確認しに行きました。

正直言って、私は英語ができません。英検3級に3回落ちて、4回目でようやく合格しているレベルです。当然、フランス語もできません。渡航を決めてからフランス語を勉強し始めましたが、仏検4級に合格できないレベルでした。たった1年詰め込んで独学で勉強したところで、語学学習のセンスもない私がそんなに急激に上達はしません。

それでも、あまりに言葉がわからないのも不安なので、当時住んでいた家から駅まで、徒歩20分の道のりでは、100均で購入した、旅行者向けに挨拶文がメインのCDを聞き続け、仏検の頻出単語集についていたCDを聞き続け、全然聞き取れないけどフランス語のシャンソンも聞き、ひたすらに耳を慣らしました。特に徹底して覚えたのが「数字」です。

日本語や英語の10進法と違って、フランス語は60進法です。意味が分かりませんね。

1un/une),2(dew),3(trow),4(cart),5(canc),6(six),7(set),8(uite),9(nufe),10(dis),11(ons),12(duse),20+1(van te une)、20+2(van dew)と続くのはなじみのある数え方ですが、70からがおかしいのです。66,67,68,69…と数えて、次が70という数字ではなく、60+10(sowsernthis)になってしまうのです。そして60+11、60+12、と進み、80は4×20(catrvan)と言います。

要するに、60以上の数字を表現することができないのです。ただ、100(sun)はあります。

数字は、お買い物をするにも、自分の電話番号を伝えるのにも、何かと必要です。最悪書けばいいのですが、フランス人の数字の表記は、独特です。正直言って、最初読めませんでした。しかしつべこべ言っている暇もなかったので、とにかく1から100までを暇さえあれば音声を聞きながらぶつぶつ呟き、目につく数字をフランス語で読んで、(合っているかどうかだれも確かめてくれないのですが…)ひたすら体に叩き込みました。

これはそこそこ効果があって、パリについてからアルバイトをしていたうどん屋さんでレジを打つ際に非常に助かりました。お会計がきちんと伝えられないと、全く話にならないし、オーダーの時も、ビールが何本なのか、ペリエが何本なのか、きちんと確認しないといけません。この、数字が発音できないがためにレジ業務ができない後輩もいました。

おかげで、今でも数字はフランス語で言えるのですが、帰国する直前まで、バゲットを注文する際にUn Bagete S.V.P(アン バゲット シルブプレ)と言っていて、たまたま一緒に買い物に行った友達が「バゲットは、女性名詞だからUne Bagete(ユヌ バゲット)だよ!!」と教えてくれるまでてきと~に話していたのでした。それでも、まぁ指を1本立てて、バゲット、と言えばバゲット1本買えるので、特に困りはしなかったのですが(笑)

言葉の壁は、やはり高く感じはしましたが、都市化された生活で、そこまで込み入ったコミュニケーションをフランス語でする必要には迫られず、仏検4級レベルでも、まぁ何とかなってしまった、というお話でした。力試しに、今度改めて仏検の模擬テストでも受けてみます(笑)

  • B!