パリ9区。住宅地に、よく見ないと見落としてしまうような小さな旗が出ています。(写真赤丸参照)
この、普通の家が、「ギュスターヴ・モロー美術館」です。そもそもモローが自宅兼アトリエにしていた場所です。
住居部分も公開されており、19世紀末の画家の私邸にお邪魔して、当時の生活を想像する楽しみもあります。
この記事はこんな人におススメです!
・モローが大好き!モローの作品をたくさん見たい!
・19世紀末の生活や家具に興味がある
・螺旋階段が大好き
ギュスターヴ・モロー(Gustave Moreau)って?
幻想的な作風が有名な、象徴主義の画家。有名どころの絵としてはこんな作品。
聖書やギリシャの物語等、神話をベースにした絵が多く、
この2枚を取っても、装飾的で仄暗く、ちょっとイケナイ雰囲気が漂います。
寓意やロマンス、退廃的な雰囲気が強く出ている作品が多く、絵画作品でも好き嫌いがはっきり分かれる作風だと思います。
このクセの強い作品ですが、見ているとなんだかあっちもこっちも描き込みがされていて、結構な時間一生懸命見てしまうようなものが多いです。
お父さんは建築家、お母さんは音楽家、パリ生まれパリ育ちです。
モロー自身は、きちんと美術教育を受け、サロンに作品を出品して購入もされ、
その後美術学校の先生もしているので、画家としては非常に成功したパターンの人だと思います。
ファイナルファンタジーのキャラクターデザインやイラストレーションを担当している、
天野喜孝さんが好きな方なんかも、好みが合いそうです。
ギュスターヴ・モロー美術館内部の写真
ギュスターヴ・モロー美術館は、4フロアありますが、規模としては小さい美術館です。
1階と2階は住宅部分、3階、4階がアトリエ兼展示室です。
私が行ったときは、居室部分はあまり見られなかったので、ゆっくり時間をかけて再訪したい場所でもあります。
そして有名なのが、この見事な螺旋階段。
階段フェチの私としては、もう、これだけで大変楽しくなってしまい、正直絵画より階段を眺めるのが楽しかったです。
日本ではなかなかお目にかかることのできない、部屋のど真ん中から突然現れる、上の回へと続く螺旋階段。
3階と4階の間にあり、普通にこの階段で行き来します。
階段の後ろの壁にもびっちりモローの絵がかけられています。
部屋の壁全体にぎっちぎちに絵がかかっているので、なかなか圧巻です。
普通に歩いて上のフロアに移動します。この素敵な階段で上り下りできるんですよ!
かけられているじゅうたんも美しくくて、階段からズレて危なくないように、1段1段金の棒で止めてあります。
なんていうオシャレ。
階段をぐるっと1周り上がったところから撮影。右端に見えるピンクの壁で囲まれているところが、2階への階段です。
こちらはせまっこくて小さな螺旋階段なので、上り下りに結構はらはらします。
人と行き違うのが難しいので、覗き込んで反対側から誰か来ないか確認してササっと下りないといけません。
螺旋階段は素敵なのですが、小さいタイプは足場も狭くて危ないです。
フランスは小さい螺旋階段も大きい螺旋階段も沢山あって、
長年使われている石の階段などは、多くの人が歩いたであろう所はすり減ったりしていて、もう、歴史を感じて楽しくなります。
左端の緑の箱部分には小品がぐるっと展示してあります。
階段に興奮しすぎて絵の飾ってある壁の写真をほとんど撮らなかったのを大変後悔しています。
素描や下書き、習作、デッサンなどが信じられないほどたくさん保管してあり、「モローのこの絵が好きだ!」というのが決まっている人は
何時間でもいられてしまうと思います。デッサンも山盛りあるので、人のデッサンを見るのが好きな私みたいな人はそういうのも楽しいです。
日本でも人気のある画家なので、現地で日本語のガイドもあり、私も日本語のモローの本をお土産コーナーで購入しました。
公式サイトは写真もたっぷり掲載されているので、フランス語が分からなくても、見ていると結構楽しいです。
アクセス
公式Webサイト(仏語):https://musee-moreau.fr/fr
住所:14 Rue Catherine de la Rochefoucauld, 75009 Paris, フランス
営業日時:月曜日~日曜(火曜を除く)午前10時~午後6時まで
閉室は午後5時45分
お休み:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
ミュージアムパス(PARIS MUSEUM PASS):利用可能
一般的な大人の入場料:8ユーロ
アクセスについての詳細(仏語):https://musee-moreau.fr/fr/informations-pratiques
下記の美術館と提携しているので、8日以内の入場券を提示すると割引料金でチケットを購入できます。
詳細(仏語):https://musee-moreau.fr/fr/musees-partenaires
- ジャン・ジャック・ヘンナー国立美術館
- ギメ国立アジア美術館
- オルセー美術館
- ガルニエ宮の無料ツアー