ロダンについて調べていたら、彼女のことを切っても切れず。
ロダンの弟子であり、愛人であり、共同制作者とも言われる、カミーユ・クローデル。
彼女についてのことをまとめました。
この記事はこんな人におススメです!
・ロダンの人生に影響を与えた女性のことを知りたい。
・カミーユ・クローデル生涯について知りたい。
・ガンダムZのカミーユ・ビダンとの関係は?
目次
フランソワ=オーギュスト=ルネ・ロダン(François-Auguste-René Rodin)の苦悩
ロダンについては、この記事ではあまり掘り下げません。
ロダン美術館の記事にて、詳しく書いたのでそちらを参照してください。
ロダンは動物彫刻家のアントワーヌ=ルイ・バリーに師事していた24歳の時に、4歳若い、妻となるローズと出会っています。
ローズは裁縫職人で、長男も生まれています。このころはまだロダンは装飾職人をしていて、まともに家族を養えないくらい貧乏だったようです。
40歳でこの「地獄の門」の製作依頼を受けてようやく彫刻家として認められるようになったロダン。
このころ、まだ10代の、若くてピチピチで、才能あふれるカミーユと出会います。
美人で、とても精力的に作品を作るカミーユ。
若い芸術家を、身も心も心酔させるのはプレイボーイのロダンには容易かったことでしょう。
彼女とアイデアを出し合い、ある時はモデルとなって、ある時は一緒に作品を作り、
ロダンはだんだん社会的にも「彫刻家」として認められていきます。
カミーユ・クローデル(Camille Claudel)
さて、カミーユ・クローデルはパリから北東に約120キロのエーヌ県南部で三人兄弟の長女して生まれました。
産まれてすぐ亡くなった兄がいましたが、その傷が癒えないうちに生まれたカミーユに対して母親は辛く当たりました。
なのに、カミーユの妹、弟は溺愛されて育ち、カミーユは辛い子供時代を過ごしました。
小さいころから彫刻の才能があり、父親が応援してくれたため、パリの芸術の学校に行くために一家丸ごと引っ越しをします。
女の子だから、という理由で、とても才能があったのに彫刻の勉強を批判され、それでも作品を作り続けたカミーユでしたが、
最後まで母親には認めてもらえず、まともに取り合ってもくれなかったようです。
存在感のある「塊」として彫刻を表現しているロダンと違って、カミーユの作品は、塗装していないのに色を感じるような、情感豊かなものが多いように感じます。
どっしりとしたロダンの作品と比較して、軽やかで、華やかな雰囲気を持っています。
この「波」は、北斎の「神奈川沖浪裏」からインスピレーションを得たと言われています。
大きく迫りくる波と比較して、小さな3人の女性たち。「神奈川沖浪裏」の画面左側から大きく飛沫をあげて、画面右の小さな船を揺さぶる図と同じ構図で、
今にも波が覆いかぶさりそうな勢いを感じさせます。
他には、彼女の作品としては、下記の「分別盛り」という作品が有名です。
直訳では「成熟した年齢」という作品で、連れていかれるロダンと、ロダンを引っ張る奥さんのローズ、跪いている女性がカミーユ自身を表していると言われます。
泥沼の三角関係にあったこの三人をして、そのように捉えられるのはごく自然ですが、正確な意図は分かりません。
今すぐ画面左側にはけて出て行ってしまいそうな動きが表現されています。
後半生で、流産を繰り返したりしていたのに、ロダンが自分より内縁の妻を選んだことで精神的に不安定になり、精神病棟に入れられてしまったカミーユは
自分の作品を自分でかなり壊してしまったそうで、現存するのは90点ほどといいます。
そのうち、ロダン美術館に所蔵されているのは約20点。
ロダンのモデルや、アイデアの源泉ともなっていた彼女を知らずしてロダンは語れないほどの存在でした。
日本では残念ながら彼女のオリジナル作品は見られないようです。
Zガンダムのカミーユ・ビダンの元ネタ?
ガンダムZに登場する、カミーユ・ビダン。
名前の由来は「 機動戦士ΖガンダムLDBOXブックレット」に彫刻家のカミーユ・クローデルがモデルであると記載があるようです@wiki
名前が女っぽいということでからかわれ殴りかかったり、他にも年長者に2回殴りかかるなど、なかなか気性が荒いところを見せています。
感受性が強く、精神疾患に陥るなどの特徴も、カミーユ・クローデルがモデルである所以でしょうか。
「カミーユ」が女っぽい名前かどうかという点では、調べてみるとそんなこともなく。
印象派の画家、「カミーユ・ピサロ」や、「カミーユ・コロー」も男性です。
ガンダム原作者の富野氏によると、”カミーユが自分自身で「女性的な名前」だと勝手に思い込んでしまっているだけ”という、
思い込みの強い側面が強調されるキャラクターです。
まとめ
日本では作品を見ることもできないため、
存在を認識する機会もなかなかない「カミーユ・クローデル」。
私も今回、ロダンについて調べていて初めて彼女の存在を知りました。
彼女の生涯を映画作品にしたものが2本あります。
ミュージカル(GOLD〜カミーユとロダン〜)にもなっていますが、こちらはメディア化などされていないようで、現在見ることはできないようです。
カミーユの後半生を描くこちら↓↓
1988年制作、ブルーノ・ニュイッテン監督作。主演女優はイザベル・アジャーニ。彼女の狂女っぷりが見どころのようです。
こちらはもう少し最近の作品で
2017年作、ジャック・ドワイヨン監督。
前出の作品は後半生でしたが、こちらは前半、ロダンと一緒に制作していたころのカミーユの様子が見られます。
プライムでレンタル300円です。
これらを見て、思うところがあればまた追記したいと思います。