始まりましたね、パリオリンピック!!
セーヌ川も噴水が出たり、浮島の上で自転車競技やブレイキンを魅せてくれる
楽しい演出盛りだくさんで、何回でも見てしまいそうな開会式なんですが、
気になりすぎてスルーできない絵画の「顔」達が選手の船の後ろを
チラチラするのであいつらは誰なんだぁーーーーー!と思って調べました。
絵画好きの方は有名人が多いので楽しんでいただけると思います。
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パリオリンピック開会式で「顔が…川の中に突然顔が!!」
出現した「顔」は6種類。船の進行方向順に、ご紹介していきます。
1人目、マリー=ギユミーヌ・ブノワ(Marie-Guillemine Benoist)の『黒人女性の肖像』 (1800年)
2人目、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの 『いかさま師(ペテン師)』(1636年頃)
3人目、イスラム芸術枠から、「シャー・アッバス1世と小姓」(1627年)
4人目、5人目は同じ絵画から。『ガブリエル・デストレとその妹』(1594年)
6人目は『ハトホル女神とセティ1世』のセティ1世。
WEEKLY TIMESの動画が「顔」の全体像がわかりやすかったのでリンクを貼っておきます。
各絵画の引用元はキャプションに記載していますので、気になった方は飛んでみてください。
パリオリンピックの開会式の様子はNHK+でも見れます!(2024/8/3(土) 午前6:33 まで配信)
あなた誰なの…?一人ずつ紹介します
さて1人目、マリー=ギユミーヌ・ブノワ(Marie-Guillemine Benoist)の『黒人女性の肖像』 (1800年)
奴隷制度廃止の6年に描かれたこの絵画は、黒人の解放と同時に女性の解放を象徴する作品とみなされています。@wiki
2人目、真珠に縁どられたふさふさがついた帽子が特徴的な、どこかで見たことある目…
こちらはジョルジュ・ド・ラ・トゥールの 『いかさま師(ペテン師)』(1636年頃)
日本では「大工の聖ヨセフ」が有名なラ・ゥールですが、20世紀初頭まで知られていない画家でした。
おや、実際の絵画と見比べてみると、目玉の位置が違います。
選手団を追って、キョロキョロしているようです…(笑)
3人目は浮世絵のようにも見えますが、ルーブルには浮世絵は所蔵されていません。
イスラム芸術枠から、「シャー・アッバス1世と小姓」のなぜか「小姓」の方の人です。
この絵に関する日本語のいい感じの記事が見つからなかったので詳しいことはわからないのですが、
アッバス一世というイランでは超有名な大王を描いた絵です。どうもイスラムにお小姓さんを愛でる文化があるようです。
4人目、5人目は同じ絵画からお二人出演です。『ガブリエル・デストレとその妹』(1594年)
有名な絵画なのでご存じの方も多いと思いますが、作者不明で、モデルも絵の意図もはっきりしていません。
雨のせいで水位が上がって、口元が隠れてしまったことで、より妖艶な雰囲気になっている気がします。
最後を飾る6人目は『ハトホル女神とセティ1世』のセティ1世。
ルーブルの誇るエジプト考古学アイテムからの選出です。
エジプトの大繁栄は彼の安定した治世によるものが大きいそうです@wiki
ルーブルはヨーロッパの古典作品がコレクションの中心ですが、
数々の棺を始めとする、エジプトの美術品もものすごい数所蔵しています。
1回エジプトエリアを見始めたら、広大すぎてくらくらするくらいずっとエジプトでした…
まとめ
黒人女性、白人女性、イスラム人、エジプト人…女性4人、男性2人。
男性同士、女性同士それぞれを彷彿とさせるチョイス。
全てルーブルの所蔵品からの選出なのでアジア人はいないのですが、
大会テーマである「Games Wide Open:広く開かれた大会」に沿っているように思います。
星の数ほどあるルーブル美術館の所蔵品の中から、どれを選出するか、
きっとものすごく大変な会議が行われたのでしょう…
それぞれの顔は鼻の下まで水に浸かり、目玉の部分が加工され、
さながら学園七不思議に出てくる「ずっと目の合う絵画」のように
選手たちの乗ったボートを視線で追っているように見えます。
フランスにも「ずっと目の合う絵画」のような怪談話があるのでしょうか…?
地図でパリ市内のセーヌ川を見ると、ルーブル美術館のあたりはちょうど真ん中あたりに位置します。
ネットでの評判は「面白い」という人もいれば「怖い」「トラウマになる」というような意見も…
フランスでは、絵画パロディのメトロ広告や、雑誌広告もとてもよく見かけます。
有名絵画を惜しげもなくイベントに使ってくるのは、絵画が身近であるフランスならではかもしれません。