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ルーブル美術館

ミロのヴィーナスを実際に見た感想|大きさと腰の継ぎ目に驚いた

世界中に数多くの彫刻がありますが、そのなかでも特に有名な作品の一つが「ミロのヴィーナス」です。

両腕を失った姿で知られ、「本来はどのような姿だったのか」と、長い間さまざまな想像をかき立ててきました。

しかし、ルーブル美術館で実物の周りをぐるぐる回っていた私が気になったのは、失われた腕ではありません。

腰のあたりに、上半身と下半身をつないだ「継ぎ目」があることでした。

この記事では、ミロのヴィーナスの大きさや実際に鑑賞した感想、そして古代の職人が継ぎ目を目立たせないために施した工夫について紹介します。

ミロのヴィーナスとは

ミロのヴィーナスは、1820年にエーゲ海のミロス島で発見された古代ギリシャの彫刻です。

作者は分かっていません。ルーブル美術館の公式情報では、紀元前150年から紀元前125年ごろに制作されたとされています。

モデルとなっているのは、ギリシャ神話に登場する愛と美の女神アフロディーテです。ローマ神話ではヴィーナスと呼ばれます。

現在は左腕と右腕の大部分、左足などが失われています。失われた腕がどのような形で、何を持っていたのかについては諸説あり、決定的な答えは出ていません。

実物は高さ204cm。見上げるほど大きい

ルーブル美術館で展示されているミロのヴィーナス

ルーブル美術館のミロのヴィーナス

ミロのヴィーナスの高さは204cmあります。

台座を含めなくても実際の人間より大きく、展示では台座の上に立っているため、下から見上げるような鑑賞になります。

私にとって腕のないヴィーナスは、写真や映像を通して見慣れた姿でした。そのため、実物を前にしても「失われた腕はどのような形だったのだろう」と考えるより、まず堂々とした存在感に圧倒されました。

立っているだけのように見えて、身体には微妙なひねりがあります。

柔らかそうな上半身と、腰から下を覆うたっぷりとした布。大理石でできていることを忘れそうになる肉体の表現は、角度を変えるたびに印象が違って見えます。

何度も周りを回って見たくなる彫刻

展示室に立つミロのヴィーナスの全身

周囲の人と比べると、204cmの大きさがよく分かります

私が訪れたとき、ミロのヴィーナスの周囲には、像をさまざまな方向から眺められる空間がありました。

正面から見るだけではもったいないと思い、私はヴィーナスの周りを何度もぐるぐる回りました。

横から見ると身体のひねりがよく分かり、後ろへ回ると腰を覆った布の形や、堂々とした背中、お尻の表現まで眺められます。

斜め後ろから見たミロのヴィーナス

斜め後ろから見ると、身体のひねりと布の流れがよく分かります

生きている人をこんなにじろじろ見たら、間違いなく「見すぎ」と怒られます。

しかし彫刻なら、前からも後ろからも好きなだけ眺められます。「彫刻でよかったなあ」と、よく分からない感謝まで湧いてきました。

ミロのヴィーナスの腰にある継ぎ目

そうして背中側まで眺めていたとき、腰のあたりに一本の継ぎ目があることに気づきました。

背面から見たミロのヴィーナスと腰布

上下の接合部分は、腰布の折り返しに沿って目立たないように隠されています

ミロのヴィーナスは、一つの巨大な大理石から全身を彫り出した作品ではありません。

ルーブル美術館の公式資料によると、胴体は上下2つの大理石で作られ、腰の位置で接合されています。

小さめの石材を使用できるだけでなく、作品を運びやすくするための「別々に作った部品を組み合わせる技法」が使われていました。

上下の石材は金属製の留め具で固定され、継ぎ目は腰に巻かれた布の折り返しに沿うように隠されています。

そのため、正面から普通に見ているだけでは、上下が別々の石でできていることにほとんど気づきません。

古代の彫刻から可動フィギュアを連想した

腰の継ぎ目を見つけたとき、私がなぜか連想したのは、日本の可動フィギュアでした。

もちろん、ミロのヴィーナスの腰が動くわけではないので、仕組みはまったく違います。

それでも、現代の可動フィギュアでは、関節の切れ目が不自然に見えないよう、衣服の線や身体の形に合わせて分割位置が工夫されています。

ミロのヴィーナスも、腰布のしわや折り返しを利用し、作品を見る人が興ざめしないように継ぎ目を隠していました。

古代の職人も現代の造形師も、「どこで分ければ自然に見えるのか」を考えている。

紀元前に作られた彫刻と現代のフィギュアが、同じ思想で作られているなんて。

いや、もしかしたらフィギュアはこういった彫刻を参考にしたのかもしれませんね…

腕のない姿だけが見どころではない

ミロのヴィーナスは、失われた両腕や「欠けた部分を想像する美しさ」について語られることの多い作品です。

けれども実物を近くで見ると、腕以外にも気になるところがたくさんあります。

  • 人間よりも大きな204cmの身体
  • わずかにひねられた立ち姿
  • 柔らかな肉体と厚い布の表現
  • 腰布の下に隠された上下の継ぎ目
  • 正面とは印象の異なる背中や後ろ姿

有名作品だからと正面から写真を撮って終わりにせず、可能であれば少し角度を変えながら眺めてみてください。

見る人ごとに、好きな部分が見つかるかもしれません。

ルーブル美術館でミロのヴィーナスを見るには

ミロのヴィーナスの展示場所は変更される可能性があります。訪問前には、ルーブル美術館公式サイトや当日の館内案内を確認してください。

ルーブル美術館の入場予約やガイドツアーを検討している場合は、以下からプランを確認できます。

ツアーによって対応言語や含まれる内容が異なるため、予約前に詳細を確認してください。

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モナリザ、ミロのヴィーナス、サモトラケのニケに共通する魅力は、こちらの記事で紹介しています。

モナリザを実際に見たときの感想はこちら。

サモトラケのニケを実際に見た感想はこちら。

彫刻だからこそ、時間を気にせず、好きなだけ眺められます。

こんなに見応えのある作品を作った名もなき彫刻家と、発見した人々、そして現在まで保管しているルーブル美術館に感謝しながら、私はその部屋を後にしたのでした。

作品の年代・寸法・構造は、ルーブル美術館公式コレクションおよび公式資料を参照しています。

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