旅行では足りない。ルーヴル美術館を心ゆくまで見たかった
私は、旅行でフランスに行ったことはありません。
当時の海外経験は、バリ島旅行とNYでの研修旅行の2回だけ。一人旅の経験もありませんでした。
小さな印刷屋でDTPオペレーターとして働いていた私が、なぜたった一人でフランスへのワーキングホリデーという、今思えばかなり突拍子もない行動に出たのか。
理由はいくつかあるのですが、その中でも大きかったのが、
「心ゆくまでルーヴル美術館の作品を眺めたい」
という思いでした。
もともと美術館が大好きで、世界最高峰のルーヴル美術館には絶対に行きたいと思っていました。
どうせ行くなら、ゆっくり全部見たい。
そう思って調べれば調べるほど、ルーヴルは昔の宮殿を使った巨大な美術館で、収蔵品も膨大。全部しっかり見ようと思ったら、数日ではとても足りない。
それじゃあ旅行じゃ絶対無理。住むしかない!
そうして方法を探していたところ、年齢的にもワーキングホリデー制度がちょうど使えることが分かり、フランスへ行くことを決めました。

私がルーヴル美術館に憧れた最大の理由は『ダ・ヴィンチ・コード』
パリ市内には、たくさんの美術館があります。
印象派のコレクションで有名なオルセー美術館、独特な外観のポンピドゥー・センターをはじめ、大小さまざまな美術館や博物館が揃っています。
その中で、なぜ私はそこまでルーヴル美術館にご執心だったのか。
もちろん、規模が大きく、収蔵品も圧倒的に多いという理由もあります。
でも、一番大きかったのはこれです。

ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』。
これがもう、めちゃくちゃに面白くて、ものすごくのめり込んだのです。
トム・ハンクス主演で映画化もされたので、ご存じの方も多いと思います。
物語の舞台は、まさにルーヴル美術館。
ルーヴル美術館を起点に、パリ市内を駆け巡り、イギリスへ渡りながら物語が進んでいきます。
ミステリーと絵画と旅行が全部一緒になっていて、私にとっては最高にエキサイティングな内容でした。
主題も「イエス・キリストの子孫は実在しているのか?」という、なんともセンセーショナルなもの。
もちろん、この物語はフィクションです。
それでも「そんなこともあるかもしれない」と思わせるほど、実在する絵画や教会、モニュメントが物語の中に次々と登場します。
芸術や宗教教義、伝説を大胆に再解釈しながら物語に組み込んでいくため、とにかく説得力がある。
作者の知識量もものすごく、説明も巧みで、当時は世界中で大きな反響を呼びました。
米国カトリック司教会議が内容に反論するウェブサイトを開設したり、映画の上映を禁止する国が出たりするほどだったそうです。
私はこの『ダ・ヴィンチ・コード』を、まず図書館で上下巻の分厚い本を借りて読み、その後、上中下3巻に分かれた文庫版を購入。
何度も何度も読み返して、パリにまで持っていきました。
ところが帰国後、友人に貸して、そのまま帰ってきていないようです。
パリで買ったフランス語版は、結局まだ読めていない
今手元にあるのは、パリ市内のブックオフで買ったフランス語版です。
当時はかなり金欠だったので、お安く手に入れられたのがありがたかったのですが、これがなかなか立派な本。
厚みは5cmほど、縦20cm・横15cmくらいあります。
せっかく買ったものの、ページを開けばフランス語がびっしり。
その迫力にすっかり気後れしてしまい、結局ほとんど読めていません。
こうして久しぶりに記事を書き直していると、日本語版をもう一度買い直して読みたくなってきます。
私にとってルーヴル美術館は『ダ・ヴィンチ・コード』の聖地だった
映画やアニメなどの舞台になった場所を訪れることを、「聖地巡礼」と呼びます。
私にとって、ルーヴル美術館はまさにそれでした。
小説を読み、映画を見て、それでも飽き足らず、
「現地に行きたい。この目で見たい!」
という思いがどんどん強くなっていきました。
それがついには、ワーキングホリデーでフランスに渡る、という思い切った行動にまでつながったのです。
ワーキングホリデーなら、1年間フランスで暮らすことができます。
ルーヴル美術館だけでなく、『ダ・ヴィンチ・コード』に登場するパリ市内の場所もゆっくり巡れる。
イギリスへ行くチャンスも作れる。
さらに他の美術館にもたくさん行ける。
当時の私にとっては、もう最高の条件でした。
実際にルーヴルのピラミッドを見た瞬間
『ダ・ヴィンチ・コード』では、ルーヴル美術館の館内をかなり印象的に駆け巡ります。
その作品を何度も読み込んでからパリへ行った私は、実際にルーヴルのピラミッドを目の前にしたとき、感動のあまり思わず、
「あっっっ!!!」
と大きな声を出してしまいました。
写真や映画の中で何度も見ていた場所が、本当に目の前にある。
あのときの感動は、今でもかなりはっきり覚えています。

今だから、もう一度『ダ・ヴィンチ・コード』を読み返したい
いま改めて『ダ・ヴィンチ・コード』を読んだら、当時とはまた違った楽しみ方ができる気がします。
物語に登場する場所を、今度は実際に見てきた後だからです。
ルーヴル美術館も、パリの街も、作品の中で以前よりずっとリアルに感じられるはず。
フランス語版を読むには、残念ながら今の私にはまだ読解力が足りません。
なので、ここは素直に日本語版をもう一度手に入れて、当時の熱い気持ちを思い出しながら読み返してみたいと思っています。
これからルーヴル美術館へ行く人へ
私のように『ダ・ヴィンチ・コード』が好きな人なら、ルーヴル美術館は作品を見る場所というだけでなく、物語の舞台を実際に歩ける場所でもあります。
初めて訪れるなら、モナリザやミロのヴィーナス、サモトラケのニケなど、有名作品とあわせて館内そのものもぜひ楽しんでみてください。


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