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パリの住宅事情
旅行と違ってホテルに泊まるわけではないワーホリ。ワーホリ期間中の住まいはどうすればいいのか、私は全く未知数のまま向こうに行ってしまいました。そのため、短期間で様々な住まいを転々とし、引っ越しの多いパリ生活でした。向こうで住んだ部屋は5か所に渡り、それぞれで全く違う雰囲気を味わい、それはそれで面白かったです。
パリの部屋事情は家賃が高く、都心部とほぼ同等と思って差しさわりないと思います。ただ、建物が古いままのためエレベーターがつけられず、7階エレベーターなし、半分屋根なので天井が斜め、みたいな物件も多々あります。さらに、フランスでは1階を0階としており、日本での1階部分に当たるところは「レッドショッセ」と呼びます。なので、「7階」と書いてあれば、日本のイメージだと「8階」です。それがエレベーターなしは、なかなかにキツいものがあります。
また、よく言われる水事情の悪さですが、日本に比べればやはり悪いです。そもそも水質が硬水のフランス。安い部屋では水詰まりは日常茶飯事で、設備も古いものをなんとかかんとか使っている、ということもざらで、お湯が出ないこともままあります。湯船にお湯を張ってゆっくりしたい…という方には辛いかもしれません。
貧乏生活をした私の住んだ5か所を、それぞれ良かったところ、悪かったところをご紹介します。全部なかなかに強烈です。
1.語学学校の寮
ワーホリでの住まいと言ったらまずはここ、という感じです。一人部屋にするか、複数人部屋にするかで値段が大きく違います。学校の立地や寮の設備、また期間によっても全然違うので資料を何カ所か取り寄せて検討するといいと思います。
私がフランスで最初に住んだのも語学学校の寮で、2人部屋でした。2か月ほど住んでいた間に、ルームメイトが2人変わり、最初の2週間はコロンビア人の陽気な女の子と。その後はトルコ人の頭がいい女の子と一緒でした。とりあえず日本で留学エージェントを通して学校と寮を契約して渡航しました。
私が使ったのはワールドアベニューというところ。多分たまたま検索して出てきたとか適当な選び方をした気がします…
色々資料を取り寄せることが出来るサイトもあるので、準備をしっかりする方は是非ご検討ください→留学アカデミー
私が行った2010年当時は、8週間(授業料と寮代。食事なし)+2週間クリスマスホリデー(授業無し)2人部屋で、329,664円+38,784円=368,448円かかりました。授業がないクリスマスホリデー期間にかかるのは本来はもったいないのですが、渡航時期が予想より早まってしまい、年内に渡航しないとビザが取り消しになるとのことで、年内渡航ギリギリの12月半ばに出発したためやむなしでした。
寮の良かったところ
まずは何と言っても日本から手続きができることです。当面の生活を安心して暮らせます。ベッドと簡易のキッチンがついていて、着いたその日から生活ができます。また、語学学校の寮なので学校で友達を作り、寮でも生活の知恵を聞くことができます。私が行ったところは日本人が割と多く、同じクラスの日本人と仲良くなり、その後寮を出てルームシェアメイトとなることができました。また、留学に慣れている日本人がたまたまいたりして、現地でのプリペイド式携帯電話の契約の仕方や、最初に必要な書類の手続きの方法などを教えてもらったりしました。フランス語の語学学校に行ったのにわからなさ過ぎて全然身にならなかった私には非常に助かりました。
また、私は2人部屋だったので、ルームメイトからフランス語を教えてもらったり、他の国の様子を聞いたりすることができました。コロンビア人の女の子は大変人懐っこく、フランス語がド下手くそな私にも英語を交えたりして仲良くしてくれました。トルコ人の女の子は英語もフランス語も堪能で、家族の写真を見せてくれたり、「私はフランス語を勉強して観光地でガイドの仕事をするのよ!色々話せたほうが稼げるからね!」とリアルな話を聞かせてくれたりしました。また、「トルコではヨーグルトをものすごく食べるのよ」と言って、彼女と住んでいる間は本当にいつも冷蔵庫にヨーグルトが入っていました。
それから忘れもしない年末年始、部屋のテレビがクリスマスムードからカウントダウンに移る頃に、疲労困憊した私はものすごい高熱を出して倒れていました。3日ほど唸って倒れていたらしく、トルコ人の彼女が心配して「マンダリン(小ぶりのミカン)を食べれば治るわよ!」と言って、一袋差し入れてくれました(くれたのか、本当は清算すべきだったのかは分からなかった…)おかげさまで年明け2日頃にはなんとか回復し、パリ到着1か月半ほどで次の家も見つかり、バイトも決めることが出来ました。ちなみにこの寮は女子棟と男子棟が隣同士で行き来でき、語学学校で仲良くなった日本人の男の子の部屋も訪ねたりしていました。
因みにこの寮は12区という落ち着いた住宅地エリアにあり、目の前がパン屋とスーパーという超便利立地でした。メトロの駅も激近で、Daumesnilドメニエルという駅を使っていました。
寮の困ったところ
とにかく水事情が悪かったです。部屋にユニットバス(シャワーのみ)はあるのですが、トイレを流しても弱いし、シャワーの水圧も激弱でした。水回りの掃除なども自分で行うため、最初にシャワーを浴びてから排水溝の掃除をまさか都度自分でやらないと詰まるとは思わず、コロンビア人の同居人から「あんたがシャワー使った後水詰まるんだけど!?」と毎回怒られ、最初「管理人に確認するよ!」と返していたのですが、管理人はそんなこと対応してくれず、自分での掃除が必要なのでした。
寮と言っても日本の寮のように常時管理人さんがいるわけでもなく、食事が出るわけでもなく、設備の使用説明も特にされませんでした。(私が飛行機の遅れで夜中に到着したからかもしれないのですが)専門学校時代、学校の寮で生活していた私は「寮余裕だぜ!」と思っていましたが、ただただ部屋を貸してくれるだけ、という感じです。セキュリティボックスなどもなかったので、貴重品の管理は全て自己責任となります。
また、火は電気式の一口コンロと電子レンジしかなく、火力が激弱でした。お湯を沸かすにも炒め物をするにも一苦労で、自炊のハードルはなかなか高かったです。洗い場も非常に狭く、一人暮らし用の賃貸の小さいキッチンという風情です。ただ、お鍋やフライパン、お皿やカトラリーなどは一式揃っており、最低限の生活はなんとかなる、という感じでした。
ただ、WiFiが通っておらず、ネットが繋がらないと大変不便なので、近所のマクドナルドにしょっちゅう出かけて行っては、フリーWiFiを拝借していました。
2.一軒家ルームシェア
さて、寮暮らしの期間は10週間しか申し込んでいなかったため、早急に次の住まいの手配をする必要がありました。私が次に住んだのはパリ郊外のバニョレBagnoletという町です。メトロ3番線の東の終着駅、ガリエーニGallieniという駅から歩いて15分ほどのところに、日本人ファミリーが住んでいた一軒家が一時帰国の為貸しに出るということで、たまたま語学学校で一緒になったワーホリ中の日本人2人と一緒に、3人でシェアして住むことになりました。ちなみにその情報は、日本人街で近くにあるブックオフ →公式HPhttps://lingonbook.fr/の近くで張り紙を見つけたという、すごい出会いです。バイトの募集などもブックオフ内の掲示板や近くの電柱に張り紙がしてあったりします。私のバイト先もそこで友人が見つけてきてくれました。
一軒家ルームシェアの良かったところ
日本人ファミリーからの借り入れの為、全て日本語で手続きでき、トラブルがあった際にも日本語でのメールやりとりでスムーズでした。実際あったトラブルとしては、洗濯機が年代物で「壊れるかもしれない」と言っておられたのが本当に壊れて、日本から新しい洗濯機を手配してもらったり、退去の際に布団を汚してしまって実費を払ったり、などです。きっとフランス語で言われても大混乱だったに違いありません。
また、家具や家電、食器などはそのまま使わせていただけましたし、食洗器の使い方も教えてもらいました。日本人ファミリーが使っていただけあって湯船もあり、時々お湯に浸かれたのも貴重でした。1年フランスにいて、お湯に浸かれたのはここに住んでいた時だけでした。
また、パリ市内から見ると「郊外」エリアになり、物価がぐっと安くなります。最寄り駅にAuchanオーシャンというメガストアがあり、もうびっくりするくらい広いスーパーマーケットはかなり便利でした。雰囲気としては日本の地方都市のイオンやイトーヨーカドーなんかを想像してもらえると近い感じがあります。IKEAかというくらい広大な店舗面積の1階が食品コーナー、2階が家具や食器、文房具や寝具などの日用品コーナー。もちろんセルフブランド展開している商品も沢山あるので、イオンのトップバリュとか西友の皆さんのお墨付き的な感じで通常の商品より安く色々揃います。問題は広すぎることで、日用品の買い出しをちょっとしたいだけなのに広大な広さを歩き回る羽目になり、空港のカートみたいな大きさの買い物カートをゴロゴロ転がして、平日の夕方帯なんかに被ると恐ろしく長蛇の列に並ばされることでした。店舗面積がどの程度か調べたんですが、分かりませんでした…地図で見るとこのくらい広いです。Googleマップ→https://goo.gl/maps/j2WeAtQNtzW9QAky6 メガストアらしく、店内にマクドナルドやレストラン、クリーニング屋なんかもありました。最近は時世柄ネットショップに力を入れているようです。
この大型スーパーで買った食材をルームメイトと「シェア」してご飯を食べることができるのも、非常に助かりました。フランスは外食が高い国です。普通に食事しようとすると15ユーロからが当たり前です。でも、上手く自炊すればかなりコストを抑えることができるのです。一人では多すぎる瓶詰のパスタソースや、水を入れて練るマッシュポテトなど、日本ではなかなか見かけない食材も沢山あって楽しかったです。パックにモリモリ入った1キロ単位で売っている牛肉なんかも、3人いるから、とチャレンジしたりしていました。
ただ、長く住むようになってくると、やはり日常の買い物は気軽にしたいもの。近所の小さいスーパーで買うことが多くなっていました。家のはす向かいあるアラブ人がやっているパン屋も、市内よりずっと安く、ちょっとつまみ食いをしたいときには便利でした。
一軒家ルームシェアの困ったところ
便利なことばかりのルームシェアのようですが、3人で水回りを使うとなるとそれなりに気を使います。もとはファミリーで使っていた物件なので、当然水回りは1か所。台所もお風呂も洗濯機も全て順番です。夜遅い時間に帰ってくることがあれば気を使うし、朝早い時間に洗濯機を回すのも気を使います。比較的3人仲良く暮らしていましたが、「シャワー使いたいのにあいつまた長風呂入ってんのかよ!」みたいなことは、何度かありました。
それからゴミ出し。パリ市内は、実はごみ箱がものすごく沢山設置されていて、一人暮らし程度の少量の家庭ごみはごみ袋に入れて市内のごみ箱に捨ててしまって問題ありません。ただ、戸建てのファミリー物件が多い住宅地エリアでは、朝ごみ収集車が来る前に家の「ごみ箱」を外に出しておく必要があります。各家庭で、小柄な人なら入ってしまいそうなほどの大きさのキャスターがついたごみ箱を「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「ビンカン」くらいのおおざっぱな仕分けで庭の端などで保管していて、日常のごみはそのごみ箱にどんどん入れていくのです。それを、うっかりゴミを出しそびれると大変なことになり、「今週のゴミ出し当番誰だー!」と批難轟々、しょんぼりするやら臭いごみ箱を3日間放置しなくてはならないわ、散々な目にあいます。寮ではそのノルマはなかったので、シェアメイト3人とも、システムに慣れるまでしばらく大変でした。
3.地下室で一人暮らし
さて、件のルームシェア物件も、半年ほどで契約が終了し、次の引っ越し先を探す必要がありました。当時私は日本食レストランのアルバイトとベビーシッターの掛け持ちをしており、周りの人たちに「誰か部屋の当てがないか~」と触れ回っていました。すると、ベビーシッター先の立派なアパートの地下が空いているという話になり、冬は寒いけど夏の期間なら快適に過ごせる、ということで7月、8月の2か月間だけ借りられることになりました。バイト先にも近くなるし、気楽な独り暮らしです。ベッドや棚などもあり、お湯がちゃんと出るシャワールームも付いています。しかも、治安がいいと言われるため日本人が多く住む、高級住宅地として名高い16区、Passyパッシーの駅が最寄りでした。パッシーはメトロ6番線が通っており、セーヌ川を渡ってエッフェル塔が良く見える素晴らしい立地でした。私の大好きなPont de Bir-Hakeimビル・アケム橋もすぐ近くで、「優雅なパリ暮らし」の雰囲気を味わえる楽しい期間となりました。
地下室で一人暮らしの良かったところ
とにかく一人です。治安がいい場所だったのもあり、朝に夜にふらふら散歩に出ていました。ただ、もともと人が済むための部屋というよりは物置として使っていたらしいので、出入りをあまり人に見られないようにしてくれ、とは言われました。パリの多くのアパルトマンは外の大きな扉が電子錠になっていて、コードを入れて開錠、その後各部屋についているブザーを押して家主に開けてもらうというシステムになっています。16区のアパルトマンの、大きな扉を電子錠で開けて出入りするのは楽しかったです。そして何より、地下なので家賃が安い!おそらくフランス人相手には絶対貸し出ししない部屋でしょうし、昔は使用人(?)とかがきっと使っていたのでしょう。地下といえど、地上すれすれの天窓のような位置に少しだけ開く窓があり、換気がちょっとでもできるのも悪くなかったです。
電気ポットが使えたのが助かり、溶かすタイプの粉末のスープとパンをよく食べていました。シャワーとトイレが別なのも良かったです。WiFiも使えました。何より、とてもおいしいパン屋が近くにあり、毎日のパンを買いに行くのがとても楽しみでした。
また、郊外から端っことはいえ市内住まいになったことで、バイトに行くのがとても楽になりました。通勤時間というのはやはりネックです。さらにベビーシッター先が同じ建物内ということで、夜間の寝かしつけの手伝いなどもでき、バイト代もなかなかに貯まりました。
フランスの郊外に日帰りで出てみたり、ちょっとした旅行ができる余裕ができたのもこの頃からでした。早朝や夜遅い時間に出る飛行機はとても安く、部屋はぐっちゃぐちゃのままでも気兼ねなく出かけられるのは一人暮らしの特権でした。
地下室で一人暮らしの困ったところ
この部屋は、なんとキッチンがありませんでした。湯沸かし器はあったので、お茶を入れたり、カップスープを飲んだりは可能でした。後は、近所のパン屋でバゲットを買ってきたり、スーパーでサラダを買ってきたりして、コンビニ食生活のような暮らしをしていました。バイト先の日本食レストランで、余った食材をもらってきたり、おにぎりをもらってきたりもよくしていました。
治安のいいエリアというのは、相対的に物価が高いエリアです。ルームシェアしていた時は郊外住まいだったので物価は非常に安かったのですが、16区のスーパーでは食材がみんな高く、結構困っていました。バゲットとチーズと水さえあれば生きて行ける、というのを体現していました。
また、とにかく地下なので、出入りの時に少しとはいえ薄暗い地下に入ることになり、ちょっと怖かったです。部屋の電気も間接照明的なオレンジの電灯しかなく、夜間に本を読んだり何か作業をするには少々不便でした。広さも、ベッドが入って荷物を入れたら精いっぱいという広さだったので決して広くはありませんでしたが、当時はこの部屋はほとんど寝るだけ状態だったのであまり問題ありませんでした。
4.海外といえば!ホームスティ
さて、気ままな地下部屋ライフは大家さんの都合により2か月とのことだったのでまた次の部屋を探さないといけません。こう何回も気軽に移動できるのは、パリ市内が東京で言うと山手線の内側ほどの大きさほどしかなく移動が簡単なのと、家具付き、家電付きで部屋を貸すのが当たり前なので、自分の貴重品と着替えなどの身の回り品だけ持っていけば済むからです。洋服は帰国する人からもらい受け、気に入らない服はどんどん捨てたりあげたりして、とにかく荷物の軽量化と「その時生きる最低限の物」だけを持ち歩いて暮らしていました。
そんな時、「私そろそろ帰国するけど、部屋を探しているなら、ホストファミリーに話を通してあげようか」という事で、フランス人ファミリーのマンションの一室をお借りすることになりました。14区の、大学と大きな公園が近い、新興マンションが立ち並ぶエリア。シテ・ユニヴァーシティエールCité Universitaireというトラム3番線の駅が最寄りでした。新しいきれいな建物で、パパ、ママ、お兄ちゃん、妹ちゃんの4人家族が住んでいるとこに間借りすることになりました。
ホームスティの良かったところ
とにかくリアルなフランス人の生活に密着できます。パリ市内は古めかしい建物をなんとかかんとか使っているという感じですが、14区の端っこは建物自体も新しく、ガラス張りのエントランスにもちろんしっかりとしたエレベーター。大きくて広いキッチンと、当たり前のようについている食洗器。ごみはダストシューターで捨てることになっていて、住人はごみ捨ての手間がありません。大きな冷蔵庫の一角は好きに使っていいよと言われ、簡単な調理もOKと言われていました。夕飯は大抵の場合マダムが作ってくれたものを家族そろっていただいていました。もちろんWiFiも使えます。
トラムを使うのも初めてでした。パリ市の境目となるところにトラムと呼ばれる路面電車が走っていて、パリ中心部から概ね放射線状に走っているメトロに比較して市境を横移動するにはトラムが便利なのでした。車体も新しく、内装も広々としているトラムは郊外を走ることもあってか開放感があり、気持ちが良かったです。何の用事もなく始発から終点まで乗ったりしていました(バスでもいくつかやった)
ホームスティの困ったところ
お部屋を間借りしているので、とにかく気を使います。私がお借りしたお部屋のマダムは色々話かけてくれるのだけど、フランス語がたいしてできない私は申し訳ないやら困るやら。他にも、ファミリーの一室をお借りするので、ファミリー構成によっては気を使います。お年頃のお嬢さんと、お兄ちゃんがいて、ファミリーそろって夕食を囲むのですが、なかなか会話が弾まず、む、難しい…!と四苦八苦しました。また、共用のシャワールームや、トイレ、キッチンの使用も、他のファミリーの迷惑にならないようにと、タイミングを見計らっていました。
5.友達のワンルームで共同生活
ワーホリ期間も残り数か月となると、そろそろアルバイト代も貯まってきて、最後だからとあちこちの国に旅行に行く友達が私を含め三人集まり、どうせほとんど自宅に帰らないからと、荷物置き場として一人の友人の家に集結しました。要は帰国までの荷物置き場です。ぶっ壊れそうなエレベーターと、頻繁に調子が悪くなる共同シャワールームと共同トイレがついていて、全部で四畳半程度の部屋には据付のベッドが1台と、小さな机といす、独身者用のお湯が沸かせる程度の小さなキッチン。そこに帰国間近な三人分の荷物を置くのですからものすごい狭さです。それでも、ベッドは1台しかないので、うっかり三人揃ってしまったときはものすごい狭さの中で寝ていました。
友達のワンルームの良かったところ
とにかく家賃が激安になることです。それに尽きます。元々ものすごく狭い部屋なので大した家賃ではないものの、それをさらに3人で割ろうというのですからすごい効果です。また、仲のいい3人だったので、一緒に行く旅行の打ち合わせが非常にスムーズ、というのもありました。また、食費も安く上がりました。外食の高いパリではいかに自炊するかが大事になってきますが、一人分だけ自炊するというのはなかなか手間がかかるもの。その点3人いればひとビンのパスタソースをちょうど使い切れたり、クスクスを粉のスープと一緒にお湯に入れて、カップラーメンの要領で食べると美味しい、など生活の知恵が終結したのも楽しかったです。
友達のワンルームの困ったところ
デメリットについてはとにかく狭いということと、水事情の悪さです。共同トイレの水の流れはもちろん弱くて悪いので、とにかく待ちながらそっと流すこと。シャワーも、途中でお湯が出なくなったりするのはざらだし、そもそも水の勢いがものすごく弱いです。パリ市内を歩いていると、「しばらく髪洗ってなさそうだなぁ…」というような方々に普通に遭遇するのですが、全体的に水周りの環境が良くないパリでは致し方ない事なのかもしれません。そしてパリはいつも乾燥しているので、オフロが適当でも、日本にいる時ほど「臭い」とか「不潔」な感じになりにくいです。もちろん、限度と個人差はありますが、カビたり、ぬめったり、コケが生えたり、虫が発生したりする頻度は、ものすごく少ないです。その代わり、カルシウムが多く含まれているので、食器やシンクに白い跡がつくことはままあります。水事情が悪くても、困る部分は様々な状況で違うんだなとも感じました。
まとめ
どこでも一長一短ありましたが、全てが日本ではなかなか体験できないことだったので、結果的には色々なところに住めて私はとても楽しかったです。
それは、私が転勤族で引っ越しに慣れていて、荷物を捨てたり移動したりすることに抵抗がないことも大きいのかもしれません。フランスへのワーホリ渡航者は、日本にいるうちに住まいを決めて、そこで1年落ち着いて住む方が多いようです。普通に考えたらそれが安全です。日本語で物件の問い合わせができるところもあります。
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